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執筆者の写真須藤 由希子

一戸建ての絵について
























花水木咲く家  House with Dogwoods Blooming

2017 Pencil and watercolor on paper mounted on panel 191 × 167.5 cm





私は住宅地の中の風景を描き続けています。住宅地は「家」の集合体ですから、「家」は私の制作活動の中で中核をなす重要なモチーフです。


描く家は、頭で基準を決めて当てはめて選ぶのではなく、ふらふらと住宅地の道を歩いているときにあちらからアピールしてくるもの、とりわけ美しく輝きを放って私の心を鷲掴みにしてくる家を描いています。


しかしこのような方法で20戸ほども描いていると、さすがに私がどのような家を選んで描いているのかという傾向が見えてきますので、それを分析してみました。


私は戦後から昭和後期、高度経済成長期に中流階級の人々によって建てられた、日本でごく一般的であった建物、とりわけ庭付きの物件を好んで描いているようです。

私は祖父が若いころ購入した、上記のような庭付き一戸建ての家に両親と兄弟と暮らしていました。その家がとても住みやすく、大変幸せであったということが大きく関係していると思います。ほとんどずっと同じところで暮らしている者にも、「郷愁」というものはあるのかもしれません。


家は風雨から身を守り、暖かい安らぎを与えてくれるものであり、仕事や学校から帰ってきて家族と過ごす場所、休日に体を休めたり、趣味を楽しんだりもするところ、多くの人にとって家はホッとする大好きな場所です。そうした場所である家の姿に私は心を奪われます。このシリーズはずっと描き続けていきます。





百日紅咲く家 House with Crape Myrtles Blooming

2017 Pencil and watercolor on paper mounted on panel 130 × 208.5 cm



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