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執筆者の写真須藤 由希子

チューリッヒ

2019年7月18日 ~ 22日


スイスのチューリッヒの住宅地を見てきました。そして画題を見つけてきました。

私の絵の中心は「日本の住宅地の風景」ですが、それをより魅力的に描くためには他の国のことも知るべきではないか、そして国際的な視点から日本の風景を再確認してみたい、場所は行き当たりばったりでかまわない。という考えからです。1年に1ヶ所訪れて、少しづつ描いていこうと思っています。


今回はスイスのS-Chanfという村で個展を開催していただける機会を得、そこへ行く中継地点であるチューリッヒに4日滞在しました。


今回の取材において、アトリエ・ワンの貝島桃代さんに大変お世話になりました。貝島さんは前回のベネチアビエンナーレ建築展日本館のチーフキュレーターを務めた方です。現在チューリッヒの大学で建築を教えていて、そして散歩好きで、街にくわしい! 素敵な住宅地をたくさん教えていただきました。また、スイス全体やチューリッヒの歴史、国民性、建物、暮らしなどについてもいろいろとお話しをしてくださいました。


貝島さんお気に入りの住宅地情報を中心に散歩のプランを立てて、毎日歩き、描きたい風景に多く出会いました。



7/18(木)

チューリッヒ中央駅から北東に歩いて行くと、お城?と思うほど立派なアパートがたくさん建っていました。数百年前の家が普通に今も使われていて、内部をリノベーションして暮らしていることが多いそうです。





しばらく歩いて「ザイルバーン・リギブリック駅 (Seilbahn Rigiblick)」から登山電車で急勾配を登り、終点で下車。そこは街全体とチューリッヒ湖が見渡せる素晴らしいビューポイントでした。一人でバンザイ。

そこからさらに登っていくと、一面の家庭菜園。美しい癒しの空間です。一人一人の持ち主ごとにやんわりと区切りがあり、それぞれの人が小さな小屋を建てていて、そこで休んだり道具を置いたりしているようです。








この後きつい勾配を下りつつ、立派で美しい家々を夢中で見てまわり、あっという間に筋肉痛に。



7/19(金)

トラムの「レッツィグルンド駅 (Letzigrund)」で降り、バーデナー通り (Badenerstrasse)の南側のアパートが建ち並ぶエリアを歩きました。それぞれ大変立派で美しく、空間に余裕があり素晴らしいのですが、中央駅付近の豪華なアパートや一戸建てとくらべるとやや簡素で親しみが湧きました。私はこの辺りの雰囲気がとても好きでした。





その後「ヘンク (höngg)」という地域へ。クシュタイク通り (Gsteigstrasse)の東側を歩きました。立派な一戸建てが多く、大変古そうな、おとぎ話に出てくるような家もちらほらあり。





7/20(土)

私は植物園が大好きなので、「ウニヴェルシテート チューリヒ 植物園」へ向かいました。激しい向こう脛の筋肉痛を我慢しつつその周辺も歩きました。まさにスイスな景色。普通に羊や馬に出会えます。







7/21(日)

レストランや服屋、雑貨屋の多い旧市街「ニーダードルフ通り (Niederdorfstrasse)」を歩きました。しかし日曜日はお店がみんなお休みで、ショッピングは出来ませんでした。その変わり、かわいい出窓に夢中になりました。







チューリッヒ中央駅南西、ジル川沿いを歩いていて「旧植物園」へ行き着きました。地図上で見て、「旧」ということは入れないのだろうと思っていたけれど、自由に入れました。花壇や温室が残っていました。





そしてそこから見下ろせる位置にプールがありました。スイスの人々は川の流れのなかや湖に遊泳施設をつくって泳いでいます。その姿の美しいこと。大都市の川もとてもきれいです。水着を持って来ればよかったと後悔しました。






これでチューリッヒ取材は終了。制作はこれから日本で行います。

街を歩いて私が感じたことは、チューリッヒの人々は、生活に積極的に自然を取り入れ、「楽しむ」「癒される」ということをすごく大事にしている、ということでした。都会の便利な生活と自然の融合の具合が本当に素晴らしかったです。それが仕事の上でも良い結果を生みだす秘訣のように見えました。私も「積極的に癒される」を志していきたいと思います。


そして、今後の日本の景観を思うと不安になりました。

とにかく私はアーティストとして引き続き、人々の暮らしぶりに幸せを感じる、美しい風景を探して描いていきたい、と強く思いました。


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